階段上 中二階倉庫 DIY Mezzanine_storeroom
1階と2階をつなぐ階段ですが、その上部がデッドスペースとなっていてもったいない・・・
と、常々感じていました。1畳にも満たない面積ですが、倉庫としてなら活用できそう・・・
キャンプ用品が増えた事と、それらは屋外の物置に収納するのは少し気が引けること。
クーラーボックスやコンロやマット等は屋内に収納したい気持ちがありました。
また、2階の9畳部屋は荷物部屋となっており、納戸的な扱いをしていますが、
ゆくゆくは子供部屋にしたいので、納戸が別に欲しいという嫁の要望もありました。
家族の意見が一致したので、中二階倉庫を作ることにしました。
階段上のデッドスペースを出来る限り有効活用して収納力のある倉庫を作製します。
WEBでもあまり事例が無いので、ほぼ独自設計での施工です。
2階から撮った階段上部です。
窓から天井まで1700mmありますが、
ここは完全に使われることのないエリアです。
折り返し階段のある家なら、
ほぼ同じデッドスペースが存在していると思われます。
ここに倉庫が出来たら非常に便利になります・・・
(2枚合成しているのでツートンカラーになってます)
私のDIYでは定番のレーザー墨出し器です。
壁にマスキングテープを貼って、
四隅に平行な位置を記入していきます。
各々のマーキング位置からの高さを計測します。
これで柱の高さ(長さ)が割り出せます。
各壁の対面の長さも計測して面積を出します。
現地調査いわゆる「現調」が完了です。
規格化されている2x4材で作製します。
(素人には規格ものの方が設計しやすい)
柱に乗る梁は2x4、間梁は2x3です。
2×4×3650(12f):6本、2×3×1829(6f):3本
柱が結構長いです。
梁の組み方は相欠きにしたので、加工が大変でした。
電ノコの歯を必要長さに調整して、短冊状に切断して
ハンマーで割っていく・・・という方法です。
切断面はノミとハンマーで削りました。
単純で簡単なんですが、数が多くて大変でした。。
設計通りの寸法になりました。
が、相欠き部の何点かに問題発生・・・
床板を貼る上面がツライチにならない所が出ました。
0.5mmの鉄板をコマ切りにしたものをスペーサーとして
何枚か挟み込んで調整しました。
木材塗装って実は初めての体験です。
木目を透かして趣のある風合いにしてくれる
ステインという塗料です。
塗った直後は色が濃いのですが乾くとイイ感じに
なります。2回塗りました。
水性なのでハケは水で洗えるという事に驚きでしたw
塗料とシンナーはセットだという車脳になってます。。
絶対に高さが合わない所が出てくると思われるので。
木材にロングドリルビットでφ20の穴を明け、
アジャスターのボルト逃げを作ります。
ナットプレートはホームセンターに4つ穴の物しか
なかったので切断しました。
柱は壁に合わせて白に塗りましたが、壁下部が茶色なので
マスキングして中二階のステインを塗りました。
所定の位置に柱を置き、養生テープで仮固定して
アジャスターで高さを調整してマスキングテープの
レベル位置に合わせます。
塗り別けた境目が壁側と完全一致!
仮設置したとき測ったので当たり前なんですけどねw
これは結構大変でした。。
この日は嫁が居ない時だったのですが、
一人でやるには大変すぎた。。
まず重い。。15Kg程度。
壁から10mmの隙間で作ってあるのですが、
収めるには知恵の輪状態でした。。
斜めに入れると板の厚みで水平に持っていけない・・・
柱が邪魔して水平に出来ない・・・
壁に塗料こすり付けながら何とか入れましたけども。
鋼製束という名前で売っていたモノ。
(本来の用途不明w)
手すりを強固に固定する為の骨です。
手すり柱に穴を開けてココに挿して使おうと
思っています。
トリマーで5mmの段差を付けて、
これでもか!てくらいビス留めしました。
この時、ドキドキしながら中二階に乗ってみましたが、全く丈夫に出来ていて心配無用でした。
若干キシミ音ありましたが、柱が重量を受けた為と思われます。
アジャスターが浮いている所があったので調整したらキシミ音もなくなりました。
柱は梁とコーススレッドで接続したのみで、壁には打ち付けていません。
梁と繋がっている事で倒れる事もないのと、壁に打ち付けたらアジャスターの意味がなくなるので。
5.5mm厚の構造用合板です。
9mm厚を考えていましたが、この時点で私の脳内では
フローリングを貼る事が決定されていたので
5.5mmにしました。
床はコーススレッド3.8×32を使用。
下穴は開けず直打ちです。
梁はすべて4.2×75を使用。
下穴は専用ドリルで開けています。
ホームセンターで黒目の物を3枚購入。
フローリング貼りは初体験だったのですが、
釘の打ち付けが難しかったです。
45mmの釘を45度に打ち付けていく・・・
しかもこのフローリング釘ってヤツは螺旋が
切ってあるので回転しながら入っていきやがるから
指先の皮膚がグルグルっともっていかれそうになるw
化粧板は窓枠用として売っていたものです。
60の角材にφ24の穴を開けて差込み、
角材とベースをタッピングビスで共締めします。
3本立てましたがビクともしません。
メインの中二階がほぼ完成したので、遊び心が
あふれてきます。
設計図通りにケガいていきます。
画像は中二階に引っ掛ける部分です。
なぜかRが付いています・・・
階段の踏み板を差し込む部分です。
ここは電ノコで8mm深さに切って、
トリマーでフライス加工(平面加工)しましたw
20mmくらいまでならトリマーで出来るけど、
梁の相欠きは45mmだったから出来なかった。。
ここは4mmづつ2回に分けて加工しています。
トリマーは切り屑の量がハンパないですが。。
機械加工やったのかと思うくらい精巧に仕上げました。
もうお気づきかと思いますが、
この階段は収納時に回転させます。
軸と軸受けユニット!!
家庭用家具に工業用部品!!どん!!
蝶番使えばいいのに1万円も掛けてピロブロック使う
贅沢・・・
「回転」と言ったら真っ先にコレが頭に浮かんだのでね。
当然蝶番も探したけど縦長の物が見つけられなかった。
ピロブロックは調芯機能があるので、こういう手作りの
精度がイマイチな物には意外と良かったりします。
出来上がった物はかなり頑丈に出来ていました。
踏み板は19mm厚のワンバイでも良かったかな・・・
重量は13Kgでした。設計値と同じでした。
回転時の重さ軽減のためにカウンターウェイトを
付ける予定なので、重量は必要な設計値になります。
実は中二階に合わせるのはこれが初めてでしたが、
設計値通りにピッタリはまりました。
ピロブロックはボルト留めしたかったのですが、
梁の上だったので75mmのコーススレッドで
固定しました。ガタつきもなく組み付きました。
何というか、強度的に見た目だけでも
すごく安心感があります。
さすがに重いですが、意図した通りに収納できました。
カウンターウェイトができればラクになります。
角度を付けてあるので、そう簡単には倒れてきませんが、
今は落下防止にPPヒモでくくり付けてあります。
廊下から荷物の出し入れがやり易い位置だからです。
ここから人も登れますが、下りるときはマジ怖いです。。
1度やってみて階段作ろうと決心しました。
何はともあれ、階段上倉庫の完成です!
掛かったお金を算出します。
中二階
2×4材 3650mm(12f):698円x6本=4188円
2×3材 1829mm(6f):648円x3本=1944円
床板_合板5.5mm 1810x910:720円
フローリング:1170x3枚=3510円
窓枠化粧板 2m:2250円
手すり柱材 60角赤松材 1m:618円x2本=1236円
手すり横板 20x60白松材 1m:720円x2本=1440円
小計:15288円
階段
2×8材 1829mm(6f):798円
2×6材 3650mm(12f):1680円
ピロブロック RDRCP25:1210円x2ヶ=2420円
シャフト FXFC25-25-F27-M16:3370円x2ヶ=6740円
小計:11638円
鋲螺、工具、小物
4.2x75コーススレッド:348円
3.8×32コーススレッド:113円
フロアークギ:148円
M6x35キャップボルト:12円x8ヶ=96円
M16ナット:30円x2ヶ=60円
φ55ドリルビット:1100円
φ20ロングドリル:980円
φ24ロングドリル:1200円
塗料 ステイン(チーク):980円x2缶=1960円
塗料 ホワイト:1180円
他小物類:4000円
小計:11185円
合計:38111円≠40000円
工事期間7日。
今回のDIYは時間とお金が掛かりました。特にドリルビットなどの工具に掛かっています。
ピロブロックなんて使うから、機械加工並みの精度が欲しくなっての出費分です。
まだカウンターウェイトを作っていないので出費はさらに増えそうです。
おかげで見た目も悪くなく、元からあったと言ってもいいくらいの倉庫が出来ました。
家族3人で中二階に乗って騒いだりしましたw
子供は「私のお部屋ができた♪」と、、違うのよ。。倉庫だよ。。
来週には早速、物置部屋から荷物の大移動を行います。
以上、階段上 中二階倉庫 DIY レポートでした。
画像左の物置部屋から階段上倉庫に移動しました。
元から使っていたメタルラックがギリギリ入ったので
助かりました。
不要な物が1/3くらいありましたね。。
ゴミは分別して、必要な物だけ厳選しての移動でした。
9畳の荷物部屋はかなりスッキリしました。
階段上倉庫はほぼ満タンですw
奥行きのある棚を自作すればもう少し詰め込めそうです。
手すりは人の為でしたが、そんな優雅なスペースは無くw
荷物落下防止用になりました。
頻繁に出し入れする(予定)ので使い易い位置です。
クーラーボックスやマット類を屋内に収納できました。
おかげで屋外物置も空きスペースを確保できました。
さすがにこれだけの荷物を詰め込むと、
階段を下りる度に圧迫感あります。
カーテンか何かで目隠しでも作りたいですね。
階段を収納位置から回転させて下ろしていくと、
私に掛かる荷重は40度で6Kg。
開度が大きくなる分荷重も増えます。
「重い」と感じる45度からカウンターウェイトが
利くように計算して設計しました。
ミスミ製のフリー寸法指定のシャフトを重りとして購入。
(オモリとして売られている製品はバカ高いので)
φ50、長さ550mmの鉄製で重量8.5Kg。
壁には滑車を取り付けてセット完了。
階段を下ろす試運転では意図した通りの重さ軽減になりました。
階段が45度開くまでオモリは地に着いた状態を維持するため、ワイヤーは長めにして
たるませてあります。つまり階段を収納する時には45度まで持ち上げるとオモリは地に着きます。
階段収納テストで本当に軽い力で持ち上がってくれる事に気を良くして油断してたら、
90度くらいの水平位置で勝手に物凄い勢いで持ち上がり収納されました。
滑車を取り付けていた板が破壊され、調整用に仮留めしていたワイヤーも引っ張り伸ばされ、
オモリが階段に丸い痕を残すほどの衝撃でした。
階段よりオモリの方が重くなるポイントがあり、それを超えた為です。
本来であればそこまで勢い付く前にオモリが地に着くハズだったのが、ワイヤーを仮留めして
いた事が最大の原因でした。(ワイヤークリップ1個のみでキツく締め込んでいない)
あのオモリがあの勢いでもし子供に当たったら・・・と考えたら作り直す気分にはなれず。。
カウンターウェイト、完全撤収です。
正味、言うほど重くないのと、階段を上げ下げする機会も少ないので、取手を付けることで
自分を納得させました。
ウェイト、滑車、ワイヤー、小物で約1万円の損失でしたが良い勉強になりました。
以上、階段上 中二階倉庫 DIY その後 レポートでした。
階段を下りる時に、荷物が丸見えでうるさい感じが
していたので、ロールカーテンを設置しました。
760mm幅と800mm幅で高さは1800mmです。
天井にボードアンカーを埋め込んでカーテンフレームを
しっかり固定しました。
見栄えも良くすっきりとしました。
リンク先にサイズごとの表があり、欲しいサイズのページに飛べます。
発注から10日ほどで届きました。
私の思い込みによる勘違いから、チェーンの左右を間違えてしまいました。
ロールされた状態で手前側に下りてくると思い込んでおり、
チェーン位置を右と指定したのですが、実際は奥側に下りてくるのが
標準仕様で、チェーン位置が左側になってしまいました。。
フレームのネジを外してチェーンユニットを入れ替えて改造しました。
購入時にはリンク先の全体挿絵をよく確認しましょう。の良い見本です。。
カーテンの昇降はスムースで軽く、良い商品です。
以上、階段上 中二階倉庫 DIY 最終レポートでした。
先日、嫁が階段上倉庫を使っている時に、階段が壊れてしまいました。
階段を回転させて収納させようとした時に「バキッ」と音がして割れた!とメールが・・・
落下でもして怪我しなかったかと心配しましたが、人には影響はなかったとのこと。
これが割れた部分です。
回転軸を固定している所が破断しました。
見た瞬間、壊れた理由は分かりました。
本来は画像中央上の斜めの面が、2階の床と接地して
加重を受ける設計だったのですが、階段の水平を取る為
ピロブロックにスペーサを入れた為、面が床と接地せず、
軸部分だけで加重を支える事になっていました。
スペーサと同じ板厚の接地面を作らなかった事による
施工ミスです。
割れた部分は潔く切断しました。
設計時のCAD図面を開いて補修設計を行いました。
この部分はやはり「鉄」で製作し直します。
ただ、切断した部分を鉄で作ると相当重くなるので、
鉄より1/3の重量のアルミで製作します。
材料はすべてミスミで購入しています。
アルミブロックのφ55深さ10mmのザグリ穴だけは
手持ちの工具では加工できなかったので、近くの鉄工屋
さんに依頼しました。加工費4000円でした。
6mm厚の(SS400)補強材と2.3mm(SPCC)の
スペーサになります。
鉄物の穴あけと切断は、ウチのガレージでも出来るよう
になりました。
あとはやっぱり半自動溶接機が欲しいなぁ・・・
木材の厚みが38mmでアルミブロックが40mmなので
2.3mmのスペーサを入れて左右から6mmの鉄板で
挟み込んでボルト留めしてあります。
今回はさすがに強度計算をしました。
家族が使う物なので今回のような事が起きないように・・・
初めて体重を掛けた時は少し緊張しました。
変なキシミ音もなく安心感があります。
恐らくもう壊れることはないと思います。
ブラウンに塗装したことで一体化した感じがします。
木の板を挟み込んでみました。
階段を下ろすとこの木っ端に接地して、階段先端が
5mm程浮きます。階段に乗ると先端も接地します。
つまり、画像の部分でしっかり接地してくれているの
で軸部分に加重が掛かっていないという事になります。
ちなみに鉄板を挟み込んでいるボルトは、踏み板側に
ボルト頭が出ないように「超低頭六角穴付きボルト」と
いう物を使用しています。
これでもう階段が壊れる事は無くなったと思います。
DIYはやはり自己責任という言葉が重く感じた今日この頃です。
今まで製作した物、これから製作する物、家族が怪我をすることのない物を設計して
製作していこうと強く感じました。
以上、階段上 中二階倉庫 階段修復 レポートでした。